建材・土木資材としての庵治石の魅力とは
庵治石は高級墓石として知られています。「黒雲母細粒花崗閃緑岩」 という正式名称をもつこの石が、墓石として高い評価を得ている理由はいくつかあります。
最も大きな理由は、その緻密な結合にあります。黒雲母や石英、長石などの微細な構成物が緻密に結合しているため、高い強度を有し、かつ吸水率が低いという特徴を持ちます。これらの特徴は、「耐候性が高く、形と彫った文字が永く残る」という墓石にとって必要な条件を、高いレベルで満たします。
私達は、これらの優位性は堅牢性が求められる建材・土木用資材を中心に、様々な用途においてメリットとなると考え、様々な商品を開発しご提案しております。
建築資材としての庵治石
色とテクスチャのハナシ
庵治石の魅力はその豊富な表現力にあります。庵治石が採石される山の地層には東西南北に多数のキズ(亀裂)が走っており、そのキズに沿って割られた面(自然肌)には独特の風合いがあります。
さらに、庵治石を知り尽くした職人による加工は、建材としての可能性を飛躍的に高めています。
天然の色とテクスチャ
錆び色と寂び色
含有する金属性物質に由来するさび色系の庵治石。分類上「錆び色」と表現されていますが、その表面は赤・黃・緑・黒・白など、様々な色が混在しており、飽きのこない深みのある色を創り出し、侘び寂びを感じさせます。
このサビ肌を組み合わせることによって、より自然な岩肌を表現できます。
自然のテクスチャ
石が割れた直後、その割れた面はゴツゴツとしています。しかし、水や石、風が、膨大な時間をかけて、この表面を”撫ぜる”ことで、柔らかさ、優しさを感じるテクスチャと、侘び寂びを感じさせる『石本来の色』を持つ石へと変えていきます。 人の手では生み出す事のできないこれらの表面は『自然肌』と呼ばれます。
少し特殊な石として、玉石があります。亀裂や人の手によって割られた面は比較的フラットですが、この玉石はその名の通り丸く、その多くがタマネギの皮のように錆び皮が何層にも巻く構造になっています。
しわのある表面
シワのある比較的フラットな石肌は、最も特徴的な庵治石のテクスチャといえます。ネオバリエやガラスのような人工的な(均一でフラットな)ところは一切なく、自然のチカラのみが成し得る天然の彫刻・レリーフといえます。
職人のテクスチャ
もちろん、職人が人工的に石の表面をコントロールすることも可能です。ノミやビシャンといった道具を使い分け、様々なテクスチャを生み出すことができます。※原則的に受注生産となります。
しっかりとした地盤を、庵治石で
土木資材としての庵治石
細粒花崗岩である庵治石は、土木用資材に十分な強度を持っています。
私達は豊富な在庫とストックヤードすぐそばに港湾施設を有しており、大規模な土木工事用の資材販売にも対応しています。
また、庵治石を含む土砂(ずり や 40mmアンダー)は、液状化を防ぐ効果が認められており、耐震性のある地盤造りに活用されています。
空間を風景に変える
景石としての庵治石
様々な形状、大きさの庵治石を、空間のアクセントとして単体で、あるいは複数を組み合わせて野趣あふれる世界観造りに。
庵治石を配置することでコンテンポラリーな空間から、洋風・和風の世界を“風景する”ことができます。
歴史に培われてきた技術力
採石史は450年以上。連綿と受け継がれてきた職人の目と技
その外材、いつまで持ちますか?
安価な外材は、魅力的に見えます。しかし長期的にみたときに、その耐久性は保証されていないケースもあります。
庵治石には、当地で採石が本格化した天正時代(1573年〜)から450年以上に亘って、様々な用途で使われてきたという実績があります。
歴史が実証する耐久性の高さは、貴社のクライアントさまを説得するための、これ以上ないアピールポイントとなるでしょう。
受け継がれてきた技術と知識
また、庵治石は地層に多くの亀裂があるため、大きな石を取るのが難しく、且つその硬さ故に加工が難しいとされます。そのため、庵治石を採石し、加工し続けてきた当産地では、早くから分業制が確立され、高い技術力を有するようになりました。
現代においてもその技術は受け継がれ、さらに進化を遂げています。私達が持つ石の知識を、是非貴社の事業に活用してください。
庵治石が使われている建造物の事例
- 首相官邸
- 長島スパーランド:雪見灯籠
- 東京ドーム・ラクーア露天風呂
- 道後温泉本館の浴槽湯口
- フィレンツェ市役所前広場のブロンズ像の台
- 六本木ヒルズ内レストラン
- カナダ大使館4階中庭
- 高橋尚子金メダル記念碑(千葉県三石山観音寺)
- 龍谷ミュージアム
- 瀬戸内海歴史民俗資料館
- 栗林公園 讃岐民芸館
大切な山から採った石は大切に使う
私達の庵治石製品開発
庵治石は希少で加工難度が高いため歩留まりが悪く、採石量に対して製品・作品として流通するものはごく僅かです。私たちはその”使われなかった庵治石”を大量に集積し、石の大きさや色味によって仕分けをすることで商品化しています。
「現場で使える」庵治石
この理念を実現するため、埋め立て地をストックヤードとして活用し、さらに港として整備するなどして、大規模な工事にも対応可能な在庫量を確保しつつ、建材としても活用可能な価格帯で迅速に庵治石を提供することができています。
庵治石開発協同組合 代表理事:中谷 明生